INTERVIEW

過去参加企業インタビュー

MICHIKARA地方創生協働リーダーシッププログラム。
4期目となる今回は、これまで参加いただいた企業の人事部門と参加者の方々にインタビューさせていただきました。
お話を伺ったのは、MICHIKARAの構想段階から参加いただいているソフトバンク株式会社と、
昨年から新たに参加いただいている株式会社オリエンタルランドの2社です。
なぜMICHIKARAへの参加を決めたのか、実際に参加してみてどのような変化があったのかなど、企業別にご紹介します。 ※以下社名敬称略

INTERVIEW TO ソフトバンク株式会社 INTERVIEW TO ソフトバンク株式会社 MICHIKARA立ち上げ当初から参加いただいているソフトバンク様。
1期から参加いただいている採用・人材開発統括部 統括部長と、過去参加者の方に、それぞれお話を伺いました。

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ソフトバンク株式会社 源田 泰之様インタビュー ソフトバンク株式会社 源田 泰之様インタビュー

Q. MICHIKARAに参加を決めた理由を教えてください。
研修プログラムは「何をやるか」も大事ですが、「誰がやるか」もやはり重要です。(チェンジウェーブ代表の)佐々木さんとの出会いは、部下からの紹介でした。初対面から意気投合し、彼女のプログラムなら面白いに違いないと思って参加を決めました。立て付けが面白そうだったのも参加を決めた理由の1つです。
Q. 過去の参加メンバーは、現場に戻ってどのような変化がありましたか?
必ずしもMICHIKARAだけの影響ではないと思いますが、昇進・昇格したメンバーが複数いるなど、確実に変化したと感じています。
あくまで個人的な仮説ですが、彼らが変化した理由は2つ。1つは社内の知見だけで成長してきた参加メンバーに、社外という別の視点が加わったこと。もう1つは、無意識のうちに自分の中にある「枠」を外せたことです。

MICHIKARAの良いところは、バイアスというか、自分の「枠」の中だけでは解決できないような仕組みになっている点です。MICHIKARAによって「枠」が外れたメンバーは、自分の仕事より本質的な課題や、未来に向けてやるべきことなどが見えてくるのではないかと感じているんです。

n数が少ないので明言はできませんが、感覚値としてはありますね。過去の参加メンバーと話していても、以前とは言葉の濃度が変わったなと思います。
Q. 「枠を外すプログラム」を自社だけでやるのは難しいと思いますか?
良くも悪くも長い間そのやり方でやってきて、しかもある程度の成功体験があるので、やはり自分たちだけで思考の枠を外すのは、なかなか難しいでしょうね。外の視点が必要だと思います。

人材開発プログラムのポイントは「いかに優秀な人を集めるか」だと考えています。
もちろん「優秀」の定義はいろいろありますが、文化・業態・規模感の異なる、何らかのリーディングカンパニーの中から優秀な人たちを集めること。
各業界のリーディングカンパニーには、優秀な人材が集まっている可能性が非常に高い。しかし、業態や規模が異なることで、おそらく仕事の進め方や「優秀さ」の定義も違うはずです。そういう人材のぶつかり合い、チームアップでの学びは非常に大きいですね。それがMICHIKARAの特長のひとつですし、今後も意図的に作っていけると良いと考えています。

また、事務局も、他社の人事担当者と人材育成やリーダーシップに関する課題や悩みを話し合う時間を作れます。他社の人事と2泊3日で深い会話ができ、事務局にも学びがある研修は非常に珍しいと思います。
Q. 周囲の反応はいかがですか?
MICHIKARA終了後、参加メンバーが経営層が集まる会議で5分程度プレゼンをしました。そこで経営層が「社内ではなく社外に出て、他社の人たちと触れ合う機会になったのは素晴らしい。こういう人の成長につながるようなことを、人事はどんどんやるべきだ」とコメントしてくれて、管理職の空気はすごく変わったように思います。今期は各部門から「もっとメンバーを出したい」という声が増えました。
Q. 今後への期待をお願いします。
人材開発プログラムでもう1つ大事なのは、いかにアイデア大会で終わらせないか。提案して終わりではなく、その後どうやって関わりを続けて推進していくかを考えてみても面白いと思います。仕事で難しいのはプランニングではなく「実行」ですよね。実行フェーズでの難しさを味わうところまでやれたら良いなと思うんです。

もちろん、どこかのタイミングで塩尻市側に引き継ぐものだとは思いますが、多少の予算を付けて、提案したアイデアの「確からしさ」の検証までをそのチームでやるなど、継続性があってもいいかなと感じています。

MICHIKARAは地方のリアルな課題に対してリアルにフィールドワークした上で提案を出すという、普通の研修にはない立て付けで、非常に完成度が高いプログラムだと信頼しています。 来年も引き続き参加させてもらう予定です。

ソフトバンク株式会社 五十嵐 聡様 インタビュー ソフトバンク株式会社 五十嵐 聡様 インタビュー

Q. MICHIKARAには立候補されたそうですが、その理由は何ですか?
経営企画部門に在籍していたのですが、外部の人と接する機会をもう少し増やしたいと思っていました。社内でも中堅と呼ばれる年次になってきて、キャリアとしてもステップアップするキッカケになればと考えたんです。
Q. 2泊3日の合宿でのエピソードを教えてください。
合宿までにある程度案を詰めていたつもりでしたが、2日目の中間プレゼンではかなり厳しいダメ出しをされました。
職人さんたちの技術を後世に伝えていけるような仕組みを作り、漆器産業を守りたいという内容でしたが、「民間企業として、もっと広い視点で考えてほしかった。守るだけでなく、君たちがいるバリューを出すような、売上をもっと伸ばすようなアイデアを出さないと、全然意味がない」と言われてしまったんです。
Q. 中間プレゼンでは、合宿までの準備を覆されるチームもありますね。
うちのチームはベースこそ覆されませんでしたが、現在の売上が芳しくない理由の分析について「新入社員レベルだ」と言われて、メンバー全員で呆然となりました(笑)。
合宿初日で本質的な課題にはある程度たどり着いたんですが、提案部分がそこまで思い切った方針になっていなくて、確かに守っていたなと思いました。

中間プレゼン後、佐々木さんたちに追加で壁打ち(質問・対話を通じて課題を整理・解決する)をしてもらい、2日目の夜には何とかアイデアがまとまりました。でも僕はちょっとモヤモヤしていたんです。「売上を伸ばす」という方向性自体、中間プレゼンで言われたことを鵜呑みにしている。そのまま提案してもいいのか? と。
ただ、翌日の最終プレゼンの準備も全くできていないどころか、資料も7〜8割しかできていなかったこともあり、チームはこの方向性で行こうという雰囲気になっていました。僕はリーダーとしてみんなが疲れているのも分かっていたので、「もうちょっと考えよう」とは言えませんでした。
でも、その夜一晩中考えて、翌朝起きたら良いアイデアが浮かんだんです。チームのみんなに話してみたら「それはやる意味がある!」と言ってくれました。そこから2時間くらい議論して「コレだったら自信を持って提案できる」とみんなが変わった瞬間があったんです。

追い込まれた状況だからこそ、ずっと考え続けることができ、アイデアを出せるキッカケになったんだと思います。ギリギリまで追い込まれて考えて、達成感を味わう。まさにこの研修の思うツボ、まんまとハマりました(笑)。
Q. 最終プレゼンではこみ上げてくるものがあったようですが。
自分でも驚きました。僕たちのチームは本当にたくさんの人たちにヒアリングしたんです。プレゼンしながら彼らの顔が浮かんだり、このチームで活動するのは最後なんだと思ったりして、自分でも予想していなかったんですがグッときました。

ただ、実はMICHIKARA全体で一番印象に残っているのは最終プレゼンの後のことなんです。
最終プレゼンは練習する時間がほとんどなく、自分ではもうちょっとできたかなと感じました。でもチームのみんなは褒めてくれたので、伝わることは伝わったんだなと思っていたんですよ。
でも、打ち上げで山田さん(塩尻市企画政策部)から「たくさんヒアリングしたんだから、彼らの思いや自分の思ったことをもっと素直に伝えたほうが良かったと思う。すごく頑張っていたのにもったいなかったね」と言われて、とても悔しかった。その悔しさが今、いろいろな仕事に活きています。
Q. 具体的にどんな点が変わりましたか?
まず仕事で躊躇しなくなりました。前より率先して意見を言えるようになった感覚があります。MICHIKARA参加後に部下ができたので、部下の指導についてもチームリーダーをやらせてもらった経験が活きていると思います。社内のミニプロジェクトのリーダーや、当社のインターンシッププログラム「TURE-TECH」でもメンターをやらせていただきました。どちらも後輩や学生が最後にプレゼンをしますが、その度に山田さんの言葉を思い出しています。

プレゼンは人を動かすのが目的です。MICHIKARAを通じて、人の心を動かすには「思い」が重要だということを学びました。だから後輩や学生に対して「全然伝わってこないよ」「自分の言葉で、自分の感じたことをもっと言っていいよ」と伝えています。それで実際にプレゼンが良くなっているのを見ると、やはり嬉しいですね。
Q. MICHIKARAと他の研修との違いは、どんな点だと思いますか?
MICHIKARAには各企業から優秀な人たちが派遣されてきています。その中で何も喋らなかったら置いていかれてしまう。みんなに納得感のある意見を出し続けるという経験は、他の研修ではなかなか無いことですね。合宿形式でじっくり意見交換する機会としても貴重だと思います。

INTERVIEW TO 株式会社オリエンタルランド 続いて、3期(2017年実施)から参加いただいた
オリエンタルランド様にも、同様にインタビューを実施しました。

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株式会社オリエンタルランド 横山 政司様インタビュー 株式会社オリエンタルランド 横山 政司様インタビュー

Q. MICHIKARAを知ったのは何がキッカケでしたか?
人事系のサミットに参加した際、佐々木さんと話したのが最初です。
MICHIKARAがどんな研修なのか伺ったら面白そうだったので、その年(2016年)の官民協働フォーラムにも参加させてもらいました。フォーラムで実際にMICHIKARA参加者の話を聞いて、これは本当に面白そうだと思って参加を決めました。
Q. どんな点が面白そうだと思ったんですか?
もともと異業種研修には結構参加しているんです。
なぜなら、当社は大半の社員がテーマパーク事業に従事しており、どうしても社員が同質化してしまう。「ゲストの幸せのために」「チームワークが大事」という価値観は大切ですが、それだけではなかなかブレイクスルーできないという課題がありました。
新しい発想ができる人を育成していかなければならないと考えていたんです。

でも、通常の異業種研修は、複数の会社が集まってやっているので、最後にアウトプットを出してもオーナーがいない。だから成果発表をして、それぞれ講評して終わってしまいます。参加者の立場から見ても、新事業の提案が盛り上がったとしても結局は副業禁止などがネックになって実行することができない。それはすごくもったいないですし、研修の枠から出られない点に課題を感じていました。

その点、MICHIKARAは最後に塩尻市長に提案し、それが通れば実際に予算が付いて、そのチームに入っていた市の担当者が実行するところまでつながっていきます。ちゃんと市にバトンを渡し、それが形になっていくラインができているのはすごく良いと思いました。
参加メンバーも本気になれるのでは、とさらに興味が湧きました。
Q. 実際に参加してみていかがでしたか?
木曽漆器活性化のチームに当社のメンバーが参加していたんですが、最終プレゼンで市の担当者が「塩尻と全く関係ないメンバーが、これだけ木曽漆器のことを本気で考えてくれて、すごく嬉しい」と男泣きしていました。
仕事は「誰の役に立つのか?」を意識すると、自分のモチベーションやドライブのかかり方が変わるんだということを、その経験を通じて実感してくれたようです。MICHIKARA後も「この仕事は誰のためになるのか?」を強く意識して仕事に取り組むようになったと言っていましたから。

昨年はトライアル的に参加したので、メンバー4人は人事部門から選出しました。今後リーダー研修として取り入れるかどうか、参加しての感想を聞かせてほしかったからですが、本人たちの行動は明らかに変わったと感じています。もちろん今までの異業種研修でも変化のあった人はいますが、MICHIKARAとは変わる率や幅が全然違います。「打率が高い」という感じでしょうか。

たとえば、あるメンバーは、異業種の人たちと何かを作り上げることの難しさや、それを乗り越えて成長できた実感があったとのことで、今まであまり申し込んでいなかった異業種研修にも積極的に参加するようになりました。
Q. 今期も引き続き参加いただいたのは、昨年で成果が見えたからですか?
そうですね。MICHIKARA後、メンバーへのヒアリングでも満足度が高かったし、実際に外から見ても変化を感じたので。今期は全社にプログラム内容を説明して、立候補制で選出しました。
Q. MICHIKARAは異業種研修という側面に加え、リーダーシッププログラムという面もあります。
 リーダーシップの観点から見ても変化はありましたか?
変わりましたね。最終プレゼンで、当社のメンバーが”パークのお兄さん”調で発表したんです。
実は彼のチームは発表直前まで混沌としていました。その中で、なかなかチームに貢献できず、悶々として最終日を迎えていたんですね。でも、最終日は自分がプレゼンすると決めていて。

最終プレゼンはとても盛り上がりました。市長の反応も比較的良かったこともあり、本人はものすごく自信が付いたんです。社内でもリーダーの役割を担っているメンバーですが、組織内でも自信を持ってリーダーシップを発揮できるようになりました。

株式会社オリエンタルランド 福田 華子様インタビュー 株式会社オリエンタルランド 福田 華子様インタビュー

Q. 合宿までの過ごし方について教えてください。
私が所属したのは森林整備チームでした。課題は具体的に絞り込まれた状態の仕様書で渡されましたが、内容も専門的で難しく、書いてあることを理解するのに時間がかかりました。キックオフ後は塩尻市側とskypeでやり取りしつつ話を進めていきました。

実は合宿前、中間フィールドワークの後にチームのみんなで1泊して、チェーンソーの講習を受けに行ったんです(笑)。森林整備について考えたこともないし、課題が難しすぎるので、少しでも関連するものに触れてみようという話になって。MICHIKARA後にも1泊2日で塩尻に行って、チェーンソーで木を切れるようになりましたよ(笑)。
Q. 中間プレゼンのとき、どんなフィードバックでしたか?
中間プレゼンでは、議論の方向性は間違っていないものの、民間企業のメンバーが入ることで生まれる「MICHIKARAらしさ」がないというフィードバックをいただきました。それまで提案の方向性は、そんなに揉めることなくスッとまとまって良かったなと思っていたんですが、フィードバックの後にリクルートHDの方から「本当にみんなが真剣に考えて、この答えにたどり着いたのか分からない」という問題提起があったんです。その方はこれが本来のMICHIKARAの姿ではないと思われたんでしょうね。泣きながら訴えられ、そこからガラッと変わりました。
Q. 具体的にどう変わりましたか?
「本当にみんなが真剣に考えているか分からない」という投げかけに対し、自分たちはそれまですごく真剣にやってきたつもりだったので、温度差はあったかなと思います。ただ、そんな風に言われてしまうということは、もしかしたら真剣に考えきれていなかったのかもしれない。あるいは、専門家がいる前で少し萎縮していた部分があったのかなと感じました。

問題提起があった後、塩尻市側の人も民間側の話に耳を傾けてくれるようになり、1回みんなで考え直そうということになりました。そのタイミングでやっとみんながまとまった感じがしました。
Q. 最後の振り返りでは皆さん泣いていましたね。
まさか自分が泣くとは思っていませんでした。みんなが追い込まれて泣くほど真剣に考えられたのは、リクルートHDの方がキッカケを作ってくれたから。そして塩尻市の方が何もわからない私たちへ根気強くインプットし、軌道修正をしてくれたからだと思います。
課題の方向性やチームビルディングなど、まずいなっていう空気を何回も感じてきたので(笑)、それを乗り越えて、みんなが納得したものを発表できて良かったという涙だったんだと感じています。
Q. MICHIKARA後、ご自身の仕事に何か変化はありましたか?
ロジックで物事を組み立てて考えることはすごく大事だし、仕事の基本だと思うんですが、MICHIKARAを終えて、思いや気持ちを共有しておかないとチームとしてまとまらないし、人がついてこなくなってしまうと感じるようになりました。

決して真剣じゃなかったわけではありませんが、真剣さが伝わっていなかったこともチームとしてまとまらなかった原因の1つなのかなと。議論をする際に、「真剣に話している」ということが相手に伝わるかどうかで、受け取り方も違ってくるんだと思います。
だから自分が何らかのチームリーダーを務める際は、「思いの共有」をすごく意識するようになりました。誰か別の人がリーダーのときも、そういった視点でチーム全体を見るようにもしています。

自分はスピード重視で、理にかなってさえいればテンポよく進めていきたいタイプなんですが、やはり「情」も必要なんですよね。自分は「情」の部分が課題だったんだということにも気づきました。自分の思いを伝えるのも苦手なタイプで、周りからも「淡々としている」とよく言われるんですよ(笑)。

でもMICHIKARA参加後は、リーダーをやるときは、打ち合わせの際に課題の整理ができなくても、気持ちを吐き出せるような時間を設けるよう、進め方を変えています。最初のブレストでは「実現不可能なことを言ってもいい」という空気を作ることを意識するようにもなりました。
Q. 御社は異業種研修をよくやると伺いました。MICHIKARAと他の研修との違いは何だと思いますか?
課題が机上で終わらないことが一番大きいと思います。自分たちも現地に行って、地域の人たちのリアルな声を聞かせていただく。そういったところが普通の研修とは違います。だからみんな真剣になれるんだと思います。

今期のMICHIKARAは新たにANAホールディングスが加わり、ソフトバンク、オリエンタルランド、日本たばこ産業、日本郵便の総勢5社で実施し、さまざまなドラマが生まれ、変化を生み出しました。
地方創生やリーダー育成、異業種研修に興味のある企業・自治体の方、ぜひお問い合わせください!

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