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MICHIKARA第6期開催レポート

官民協働で本気の社会課題解決にチャレンジする「MICHIKARA地方創生協働リーダーシッププログラム」第6期は2020年11月に終了しました。
 
MICHIKARAは、民間企業の若手リーダー人材が長野県塩尻市の課題解決に短期で取り組むプログラムです。なかなか解けない課題に短期で挑むこと、塩尻市職員と協働チームを組むこと、リアルに考え抜き、実現できる施策を求めることなどを特長としています。
例年は塩尻市で2泊3日の合宿を開催し、最終提言で幕を閉じますが、2020年・第6期は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、オンライン×オフラインでのハイブリッド方式で開催しました。
 

プログラム内容


参加者:

(株)アルファドライブ、(株)NTTデータ、(株)NTTデータ信越、武田薬品工業(株)、日本たばこ産業(株)、(株)ユーザーベース  (五十音順)
塩尻市役所、塩尻商工会議所、塩尻市森林公社 
※民間企業14名、行政11名


テーマ:

  1. 市民によるゴミ排出量削減施策の設計
  2. 住民の主体的な地域活動を促すための支所機能の定義
  3. 小売電気事業収益を活用した森林機能への市民意識向上
  4. Withコロナにおける中小企業の経営革新(新規事業・顧客開拓)

※参加者は異業種でチームを編成。テーマに沿った課題仕様書を受け取り、課題解決に臨む。


実施期間:

キックオフ / 2020年10月20日(オンライン)
中間フィールドワーク / 2020年11月6日(塩尻市)
協働合宿 / 2020年11月21日~23日(オンライン 東京/塩尻市)
市長提言 / 2020年11月23日(オンライン 東京/塩尻市)



Chapter.01 コロナ禍に始まった オンライン/オフライン でのハイブリッド開催

 
 

 
企業から次世代リーダー候補者が参加し、塩尻市役所、塩尻商工会議所・塩尻市森林公社の担当者と共に、塩尻市の抱える社会課題に取り組むのがMICHIKARA地方創生協働リーダーシッププログラムです。
 
10月のキックオフから数週間はオンライン上でのディスカッションを重ね、11月に塩尻市で中間フィールドワークを行った後はチームごとSNSやオンライン会議システムを活用して検討を続けました。
 
その後、最終提言に向けた3日間(11月21日~23日)は塩尻市での合宿が常ですが、今回は新型コロナウイルス感染症拡大により、MICHIKARA初のハイブリッド開催となりました。
民間企業参加者は東京・大阪から、また、塩尻市参加者は塩尻市内で新型コロナウイルス感染対策を施した会場に集まり、両拠点をオンラインでつなぎディスカッションを実施しました。「市民へのヒアリングが効率良く実施できた」など、オンラインならではの良さもあったようです。
 

Chapter.02 リアルな課題に挑む

 
課されたテーマに対しどんな提案があったのか、発表の一部をご紹介します。

 【住民の主体的な地域活動を促すための支所機能の定義】

塩尻市みどり湖区の多様な世代にインタビューを行った。高年齢層だけでなく若年層も積極的に地域活動に参加できるよう、世代を超えて10年後のみどり湖区について考え議論する「未来会議」を設定することを提案。「未来会議」で議論された地域将来ビジョンを参考に、塩尻市担当課の地区計画策定チームが地区計画・策定・承認までを実施することまでが提案に含まれている。
 

【市民によるゴミ排出量削減施策の設計】

塩尻市は、1人1日あたりのゴミ排出量が国内第4位である。しかし、塩尻市民のシビックプライドを高め、燃えるゴミを10%削減することで「日本一ゴミ排出の少ないまち」を目指すという実証実験プランを提案した。
 


Chapter.03 手段が目的になっていないか 厳しいフィードバックが飛ぶ

 
このほか、今回は、特別企画としてスペシャルチームによるエキジビションMICHIKARAを実施しました。
チームに参加いただいたのは、数々の新規事業を生み出してきた以下の方々です。
 

  • 麻生要一氏 起業家・投資家・経営者、(株)ニューズピックス執行役員
  • 立花雄樹氏 (株) Centurio代表取締役社長
  • 柴田寛文氏 経済産業省
  • 山田崇氏  塩尻市役所
  • 須藤高矢氏 塩尻市役所

 
スペシャルチームが取り組んだテーマは「塩尻市民の健康寿命延伸を飛躍的に加速する、革新的な官民協働デジタルプラットフォーム構築」という大変難易度の高いテーマです。
スペシャルチームの「多角的に集めたファクトに基づいた課題の特定」や「ロジカルかつシンプルに語られた発表」「実現可能性が高くユニークな提案」を聞き、 参加者からはアウトプットの圧倒的な差に驚きの声が上がりました。
 
一方、スペシャルチームからは、参加者に対し「同じ場」で課題に取り組んだという要素も加味した、厳しいフィードバックが提供されました。例えば、

 
  • 「異業種チームだから、まずはお互いを知ることが優先」、「チームビルディングをしないと、アウトプットが出ない」と思い込んでいるのではないか。チームビルディングのためのチームビルディングは不要。むしろ、成果を出そうとするプロセスでチームは作られる。
  • 時間が短い中で成果を出すには、本質に目を向けるべき。「やらないことを意思決定する」のが重要であるし、「共通認識を持つ」「配慮して共有する」過程にとらわれることはない。
  • タスク分担することに意識を向ける必要があるのか?皆で意見をぶつけると、その内容でその人の特性が分かり、自然と役割分担されるのではないか。 など…。

 
大きな組織で働いていると、当たり前のように染みついてしまうことを問い直すようなフィードバックでした。
 
これに対し、参加者からは、「目の前のリアルな壁に気づくことができた」「自分たちには提案力が圧倒的に不足していた。これまでの仕事のやり方が甘かったことを痛感した」「少しでもスペシャルチームに近づけるよう、何が足りないのかを徹底的に分析し、努力していきたい」といった声があがりました。


Chapter.04 熱量高く 本質を問い続ける

 
また、終了時にはこんな感想もいただいています。
「塩尻市の担当者の熱い想いにたくさんの刺激をもらい、特に最後の3日間は本当に濃い時間だった。初めは五里霧中の状態で焦りや不安や自分への苛立ちを感じたが、少しずつ兆しが見え、最後は良い議論ができたと思う。」
「塩尻に行きたい!」
「オンラインではあったものの、チームメンバーとは3日間を同じ目的に向かって進み、ここまで一緒に駆け抜けた。会いたい!」
 
Withコロナ時代のMICHIKARA地方創生協働リーダーシッププログラム。
ハイブリッド開催は苦渋の選択ではありましたが、New Normalとして熱量を高め、本質を問い、チームで課題に挑むことができたように思います。
最終提言の中には、施策として実行できないか、検討が始まる予定のものもあります。「リアルな課題に挑む」MICHIKARAの本質を今後も大切にしたいと考えています。
   

 
MICHIKARA事務局 小森とも子(株式会社チェンジウェーブ)